Pyramidal perhelion

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 Pyramidal perhelionはピラミッド型氷晶による幻日のことです。
 Pyramidal halo(ピラミッド型氷晶によるハロ)である9度や18度といった奇妙な視半径のハロは、22度ハロが通常の幻日を伴うように、それぞれ対応するPyramidal perhelionを伴うことがあります。
 しかしこの幻日と名を冠する現象、我々が想像する幻日とは似ても似つかない形を取ります。perhelial arcとも言われることからも分かる通りアークのような見た目なのです。

 なぜ幻日という名前が付いているのか、幻日を一般化することで解決します。一般化するために新たに、氷晶オリエンテーションという概念を取り入れてみましょう。ざっくりと言えば大気中にある氷晶の向きの傾向(オリエンテーション)のことであり、これにはいくつかの種類があります。
 大気中の多くの六角柱、六角板型氷晶の底面が水平になってるオリエンテーションを"プレートオリエンテーション"と言い、この状態で22度ハロと同じ光路をとるものを22度プレートアークと言います。この22度プレートアークがまさに幻日なのです。

 (22度ハロが起きるオリエンテーションは氷晶の向きがバラバラな"ランダムオリエンテーション"です。22度ハロと幻日が同時に発生するときはランダムとプレートの中間のオリエンテーションになっているときです。)

 46度プレートアークは環水平アークと環天頂アークであり、いわばこの2つは46度ハロの幻日とも言えます。
 同様にピラミッド型氷晶がプレートオリエンテーション(ピラミッド型氷晶の底面が水平)のとき9度ハロと同じ光路を取るものが9度幻日…というように一般化できました。
 幻日=プレートアークという風に考えると、幻日の名を冠していても22度幻日のような見た目にならないのは理解できたと思います。幻日という名がついたのがたまたま22度プレートアークだったからです。

 Pyramidal perhelionの中でも特に鮮やかでダイナミックなのが23-degree upper perhelionです。
 23度ハロの幻日ですが、発生する位置が23度より上(サンケーブ型上部パリーアークより少し上で、形はそれとほぼ同じ)のために名前にupperがついています。
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