水国市街混戦事件【事件】

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水国市街混戦事件
INCIDENT No.180410

CONTENTS


 

詳細


発端        

新世界歴■■■年(旧世界換算2018年)4月10日水の国■■の下水道に於いて爆発が発生。犯行グループはそのまま逃走。

その後水の国■■にて巨大な象型オーラが出現、そのまま市街地にて大規模な破壊活動を開始。
この際象型オーラの使用者と、その協力者たる大男(No.180410-A並びに-B)を確認。
また、同じ時刻に機関員と思われる女性(No.180410-C)が出現、前述の-A,-Bと交戦に入る。

この時点で当該地域に於ける水の国警察は機能を停止しており、迅速な対応が難しい状態にあった。
その為、先だっての観艦式により、依然係留補給中であった櫻国魔導海軍に応援を要求した。
魔導海軍は迅速に現場へ到着、そのまま歩兵、車両の混成部隊を展開、-A,-B,-Cと戦闘状態に入った。

概要        

戦闘は苛烈を極めた。-Aの操る巨象は対能力者の訓練を受けていた魔導海軍歩兵部隊を翻弄、数度の衝突で大打撃を与えた。
並びに-Bは大型拳銃を用いて援護射撃、この事例から-A,-Bは協力関係にあったと推察できる。
また、-Bはこの段階に於いては-Cを庇う様に応戦していた。

しかし、-Cは-Aに向けて発砲。明確な敵対の意志を示していた。
同時に-Cは狙撃銃を用いて魔導海軍の指揮官へ発砲、この銃弾により当該指揮官■■は負傷。

また、この時点で-Aが-Bの内部に『格納』され、新たな男性二名(No.180410-D並びに-E)が-Bより出現。
No.180410-Dは魔導海軍へ、-Eは-Cへ交戦を開始する。

No.180410-Dは二本の長剣を用いて魔導海軍側の小銃隊に接近戦を仕掛ける。
高い技量の持ち主であり、彼の出現により小銃隊は一時撤退、歩兵部隊が手持ちの武器にて接近戦を仕掛ける。
また、-Cによる狙撃が残った盾部隊を掃討、前線は混乱状態に陥る。

この時点で指揮官■■は複数の榴弾兵を用いて、『個人携行火器100式擲弾筒』を使用した榴弾の一斉発射を準備する。

No.180410-Cは時同じくして新たに出現していた-Eと交戦。特筆すべき事例として狙撃銃を刀剣のように用いて、-Eに応戦していた。
戦闘の最中魔導海軍に依る榴弾の一斉射撃が行われたが、-Cは狙撃銃による一発の発砲で、それを無力化した。

No.180410-Bは-Dと協力し、魔導海軍の歩兵部隊と交戦。-Dの技量は高かったが、魔導海軍側も連度の高い歩兵を揃えていた。
混戦の中魔導海軍側が有利となったが、この時点で-Bが異能を発揮。首を伸ばし、指揮官■■に直接攻撃を仕掛ける。
指揮官■■は手持ちの軍刀を用いて之に応戦。『鳴神一刀流』の有段者たる彼の剣技により、-Bを退ける事に成功。

同時に■■の指示により機関銃部隊の一斉掃射。-Bは驚くべき生命力で之を耐え切り、戦闘状態を続ける。

一方この時点で魔導海軍側より曹長■■が-Cに無断接触。戦闘を中断する旨の発言を繰り返す。
No.180410-Cは■■に抗弁していたが、-Eの放った毒霧によって負傷、その後の戦闘活動に支障をきたした。

No.180410-Cは曹長■■に何度か言葉を述べた後、異能を用いて『翼』を出現させ、戦場から退却した。

機関銃の一斉掃射を耐え切った-Bは、-Dと共に再び歩兵部隊へ突撃を敢行。
機関銃部隊を含め総崩れとなった魔導海軍は、最後の策として随伴していた水陸両用戦車を投入。
指揮官■■が乗車し、最終突撃を敢行、記録より之が最後の交戦記録となっている。

No.180410-Bは-Dと-Eを再び自身の中に収容、その後赤褐色の巨人に変容、およそ5mもの巨大な体躯を見せつけた。
巨大な体格と筋力を用いてその場を遁走、戦場を抜け撤退する事になった。

この時点で戦闘が終了。魔導海軍側の負傷兵は百名近く、被害総額は[削除済み]にも及んだ。

事後対応        

この事件は能力者による一般社会への大規模侵攻であると共に、訓練された部隊の対能力者に於ける有用性を証明する形となった。
世論は大きく反能力者に傾き、多くのメディアで『魔能制限法』の本格的実施を叫ばれた。
与党の支持率は大きく低迷、近くに行われる総選挙での影響も考えられる。

反面魔導海軍の迅速な出動と能力者への対応は大きく評価され、水の国、櫻の国両国の協力体制に拍車がかかった。
事態はより一層反能力者の形で進行していくだろうと、有識者は述べている。

 

インタビュー記録


インタビューNo.180410-1       

回答者:魔導海軍歩兵部隊■■所属下士官 ■■

質問者:水の国警察異能捜査特課係員 

前書:■■は当該地域での戦闘で歩兵として参加しており、前述の-Aから-D全てと交戦している。
負傷はしておらず、身体面精神面共に良好。なお、これが彼にとって最初の対能力者戦闘となっている。

<記録開始>

係員:それではまず、戦闘の流れについて説明してください。

■■:はい。大部分は記録通りですが、最初は巨象のオーラによる攻撃が主でした。……衝撃的でした。
  最初に前線では対魔力コーティングを施した盾部隊を並べていました。対能力者では一般的なものです。
  しかし、巨象による攻撃は防ぐのに精一杯で、盾が攻撃を防いでいる間に少女(注:No.180410-C)が狙撃してきました。

係員:狙撃、ですか。

■■:レールガン、というのでしょうか。いきなり魔法陣が出現したかと思うと六発の銃眼が、盾部隊の手を撃ち抜きました。
  度肝を抜かれました。あれだけの距離からあれだけの数の銃弾をあれだけの精度で発射する……訓練でも見たことない。
  兎に角、その攻撃で前線は大きく動揺しました。指揮官(注;前述の■■)の号令で何とか我に返りました。

係員:では、その後どうなりましたか。

■■:これも信じられなかったのですが、男(注:No.180410-B)の中から別の男(注:No.180410-D)が出現して、本陣に突撃してきました。
  恐るべき腕前の持ち主です。我が軍の精鋭達が次々と切り伏せられていきました。
  しかし、こちらも負けてはいません。対人戦闘は魔導海軍の十八番です。機関銃部隊と連携しながら、何とか退けました。

係員:訓練の結果がでたという所でしょうか。

■■:はい。特に対人戦闘における機関銃部隊と歩兵部隊の連携は大きく有用でした。
  最初に盾部隊が撤退しなければ、より安全に戦闘を進められたでしょう。今後の改善点です。
  また、随伴車両も有効かと考えられます。市街地故、おいそれと使うわけにはいきませんが。

係員:ありがとうございます。能力者についての考えをお聞かせください。

■■:……仕事柄、知識としては十分持っていた筈でした。しかし、実際直面してみると……。
  恐ろしかった。何より、同じ人間があれだけの力を持っている事が信じられない。
  日常生活に、こんな力を持った人間達が居ると思うとゾッとします。……『魔制法』(注:魔能制限法)の本格運用が待たれます。

係員:では最後に■■(注:先述した曹長■■、戦闘中にNo.180410-Cに接近)についてですが。

■■:僕はそこまで親しい人物ではなかったのですが……吃驚しました。顔見知り、といった様子で。
  大分取り乱してました。訓練中も優秀な人で、あんな顔見るの、初めてでした。

係員:なるほど。ありがとうございました。

<記録終了>

インタビューNo.180410-2       

回答者:水の国■■党(注:当時の第一野党)議員 ■■

質問者:水の国警察異能捜査特課係員 

前書:事件直後のインタビューの為非常に興奮している。尚、この戦闘の余波で娘が負傷している。

<記録開始>

係員:それでは記録を開始しま

■■:いいから異能者は全て殺せ!一人残らずだ!ただ殺すだけでは駄目だ!徹底的に[削除済み]し、恐怖を植え付けなければならん!

係員:落ち着いてください。事件の概要については

■■:これが落ち着いていられるか!薄汚い能力者共に私の娘が傷つけられたんだ!即刻の制限を求める!
  大体私は、制限が温過ぎると言ったんだ!奴らは殺すしかない、と!

係員:貴方の主張は既に確認済みです。では今後の方針は変わらない、と。

■■:勿論だ!これまで以上に異能者への弾圧を進める。『特区』の範囲を拡大し、国民全員に認識タグを導入する。
  能力の因子を持つ者は全て抹消しなければならないからな。

係員:国会でも『特区』や『魔制法』には賛否両論ですが。

■■:ふん。奴らは自分達が被害にあってないからそんな呑気な事が言えるんだ!
  今回の事件で思い知った事だろうよ。自分達の認識がどれだけ甘かったか!

係員:質問は以上です。

<記録終了>

 

補遺


現状までに判明しているそれぞれの身元を記す。

No.180410-A        

No.180410-Bからはエレファーナと呼ばれていた。サリーを纏った女性。
風の国出身のエレファーナ=スタンプであると推察できる。象の形をしたオーラを操る能力者。
戦闘中No.180410-Bの内部に収容された。

No.180410-B        

特徴的な見た目からカノッサ機関No.29カニバディールことカール・ハルズマンである事は間違いない。
No.180410-A,-D,-Eを内部に収容し、排出する事から彼らの親玉ではないかと推測される。
肉体を自由に伸縮する様子が確認されており、単体の戦闘能力も高い。

No.180410-C        

No.180410-Bや曹長■■からはカチューシャと呼ばれていた。カノッサ機関No.3。
No.29である-Bと対立している様であり、発砲もしていた。
特筆すべきはその狙撃術。加えて硝子と鏡を使った能力により、単体で-B達と魔導海軍を相手取った。

また、所持していたレールガン(注:Gammastrahlungと本人が呼んでいた)は既存のテクノロジーを大幅に上回る兵装であり、
カノッサ機関による制作かと推察できる。

No.180410-D        

No.180410-Bからはレギオルフォンと呼ばれていた。鉄の国出身のレギオルフォン・ゾルダートであろう。
人間離れした身体能力と長剣、単体で魔導海軍の前線を壊滅させた。

No.180410-E        

No.180410-Bからはポイゾニックと呼ばれていた。砂の国出身のポイゾニック・ジャンキーであろう。
毒を用いた能力者であり、-Cと交戦。手をピンヒールで踏み抜かれたいた。


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最終更新:2018年04月10日 10:54