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- レンバスの作り方はエルダールだけが知っている。
- 荒野への長旅に出る者、傷ついて生命の危機にさらされているものだけしか許されなかった。
- エルダールは人間にレンバスを与えることは基本的にはなかった。【註】
- ただしエルダールに好かれ、かつレンバスを必要としている人間には与えられた。
- エルダールによれば、レンバスは大いなる旅を行った際にヴァラールから与えられた。
- レンバスはヤヴァンナがアマンから持ってきた小麦(穀物)の一種から作られる。
- 大いなる旅の時の救助物質としてオロメの手により運ばれた。
- ヤヴァンナからもたらされた食物であるため、レンバスを管理したり贈ることはエルフの女王もしくは高位のエルフ女性にまかされていた。
- この小麦(穀物)はいつでも蒔くことができ、霜にも耐え、たちまちに芽生えすくすくと育つ。
- ただし中つ国の植物の陰では育たない。
- モルゴスがいた頃の北からの風に耐えることができなかった。
- 上記以外では僅かな光でもよく増えよく実る。
- エルダールは守護された土地や木々の間の日当たりの良い場所でこれを育てた。
- 収穫は黄金の穂をひとつひとつ手で摘み、決して金属の刃を当てることをしなかった。
- 白い茎は同様に土から引き抜かれ、穀物を蓄える容器を編むのに使われた。
- 虫や獣はこの麦わらに触れることはできなかった。腐ったりかびたりすることもなく、中つ国の邪悪なものはこれを侵すことができなかった。
- 穂の段階からウェハースとなるまで、ヤヴァンナの乙女Yavannildi以外が触れることは許されなかった。
【註】
レンバスが人間に与えられなかったのは貪欲さや警戒心からではない。この食物がふんだんにあったことは一度もなかった。エルダールはこの食物を自分たちの うちに留め、必滅の地の住人に広めることのないよう言い含められていたからである。というのも死すべき人間がしばしばこれ(bread)を口にすると、彼 らは自分たちが死すべき運命にあることに我慢できなくなり、エルフたちと共にありたいと望むようになり、果てには人間が足を踏み入れることのできないアマ ンの地に思い焦がれるようになるからだ、と言われている。
- ヤヴァンナの乙女Yavannildiはクウェンヤ名で、シンダリンではイヴォンウィン(Ivonwin)と呼ばれてるようですね。またレンバスはシンダリンで「旅の糧」の意、クウェンヤではコイマス(coimas)で「命の糧」の意味だそうです。 -- 名無しさん (2013-01-17 23:46:45)
- コメントありがとうございます。指輪物語の世界は殆ど知らないので情報を追加していただけてありがたいです。 -- 名無しさん (2013-01-18 21:26:46)
最終更新:2013年01月18日 21:26