ヴァンヤール(Vanyar)
おそらくこの名前は、一番初めの氏族に対してノルドール達がつけたものと思われる。ヴァンヤール達はそれを受け入れたが、多くの場合自分たちのことは、彼らの古い名前であるミンヤール(Minyar)と呼称した(この氏族の全てはエルダールに加わり、アマンに辿り着いた)。この名前は、殆ど全ての民が黄色か濃い黄金色である、ミンヤールの髪にちなんで付けられたものであった。この黄金色の髪は、殆どが暗い髪の色をしたノルドールから見て、とても美しい特徴であるように思われた(ノルドールは黄金を愛した)。異なる氏族間との結婚のため、後代のノルドールにもヴァンヤールの黄金色の髪がしばしば見られた。有名なケースで言えば、フィナルフィンと彼らの子供たち、フィンロドとガラドリエルである。彼らの髪の由来はフィンウェ王の二番目の妻、ヴァンヤールのインディスである。
Vanyarという言葉は、語幹WANから形容詞的に派生したwanjā由来のものである。この言葉の主要な意味は、髪や顔貌に関して使われる(現代)英語の‘fair’に非常に類似している。しかし、この言葉の実際の発展過程は、英語のそれと真逆である。その意味するところは、‘薄い・明るい色の’であり、‘褐色の・暗い’ではなく、また美しさという含意は二次的なものである。英語のそれは‘美しい’が第一の意味である。オロメの妻であるヴァリエ、ヴァーナ(Vana)に、同じ語幹から由来した名前がクウェンヤで付けられている。
リンダールは(アマンへの)行進や後のアマンにおいても、ヴァンヤールとコンタクトを取るようなことは殆ど無く、この第一の氏族に対して使われた名を、彼らが用いることはあまりなかった。アマンに属するテレリ達(Amanyar Teleri)は第一の氏族をヴァニアイ(Vaniai)と呼んだ(疑いようもなくノルドールの付けたものに由来する)が、ベレリアンドにおいての第一の氏族(伝承と歴史でのみ見られる)の呼び名であったミニエル(Miniel)、複数形ミーニル(Minil)は忘れ去られてしまったようだ。
- 誤訳や、もっと良い訳などありましたら修正お願いします。 -- 名無しさん (2013-02-07 20:29:18)
最終更新：2013年03月04日 14:57
