婚姻解消 Vol X pp 225-227

婚姻の終了 Vol X pp 225 - 227

エルフの死と再生について多くが語られたが、それが彼らの婚姻にどう影響するのかとの問いがあるかもしれ
ない。
死および精神と身体の分離は損傷したアルダの嘆きのひとつであり、結婚している二人に時として死が訪れること
は避けられなくなった。そこでエルダールは疑問を持った、それは邪悪な不自然なことだったからである。
永遠の婚姻はエルフの性質にあっており、それを教えたり取り締まるいかなる法も彼らは必要としなかった。
しかしもしパートナーの一人が殺害された時のように「永遠」の婚姻がもし破られるとしたら、
彼らは何をすべきかまた考えるべきか解らなかったのである。
このことで彼らはマンウェに相談した。ノルドールの王エルウェの件に記録されているようにマンウェは
審判ナーモ・マンドスの口を通して彼の判定をくだした。
「エルダールの婚姻は」と彼は言った。「生存者による彼らのため、かつその生命の期間のためである。エルフは
アルダに在ってはその性質として命は永遠であり、損傷のない婚姻も同様である。しかし、彼らの命が中断
もしくは終了したとき彼らの婚姻も同様であるべきだ。さて婚姻は主として身体のことであるが、身体だけでは
なく精神と身体共である。それはfea(魂)の意思によって始まり持続されるからである。それゆえ、
結婚しているパートナーの一人が亡くなったとき、その婚姻は終了するのではなく休止となる。
結ばれた者たちは今分かれているのであり、彼らの結びつきは意思の結びつきとして続くからである。
「ではどうすれば婚姻は終了でき結びつきを解消できるのか。これがなされなければ再婚はできない。エルフの
性質上の法により、neriとnissiは同等の存在であり、結びつきは一人と一人の間にのみありうる。明らかに
終了は意志の終了によってなされ、それは死者によってもしくは判決によって始められるべきである。
意志の終わることにより、死者が今後身体を得て生きる者へ戻ることを意志しないとき、判決により彼らは
戻ることを許されないとき。アルダの生きる者の中で再びはじめることができないとき、アルダの生きる者の
ための結びつきは終了する。
「われらは言う、意思の終了は死者から始動されるべきであると。生存者は自分たちの目的で彼らにとどまる
よう強制も、彼らが望むとき再生を拒否することもできないからである。戻らないという死者の意思は明確に
理解されていなくてはならず、厳かに宣言されマンドスによって批准されたとき判決となる。
死者は再び身体をもつ生存者へと戻ることは許されない。
そこでエルダールは質問した。「どうすれば意思や判断がわかるのでしょうか。」
答えがあった。「マンウェによりナーモの宣言によるのみである。このことについてはエルダールの誰であっても
自分の件について判断するのは合法ではない。生存者の中で誰が死者の思いやマンドスの判定を判断できようか。」
告げる理由により「フインウェとミーリエルへの判定」と呼ばれたマンドスの発言には、その検討から生ずる点へ
の説明の記録である多くの注釈があった。あるものはバラールによって与えられ、あるものはエルダールによって後に理由づけされた。これらでより重要なものはここに追加された。
1.問い。「婚姻は主として身体による、しかし精神と身体の両方である、とは何を意味するのか。」
答え。「婚姻は主として身体のことであるが、それは体の結合によって成就され、これを越えて持続しほかのしごともあるとはいえ、その最初のしごとは子供たちの体の始まりだからである。婚姻における体の結合は独特であり、他の結合でそれに似たものはない。反対に婚姻におけるfear(魂)の結合は他の愛や友情の結びつきとは異なる。その親密さや永遠性において同種ではなく、それは部分的には彼らの結合による体による、また彼らが共に住むことでもたらされる。
どちらにせよ婚姻はfear(魂)もまた関係する。彼らの性質としてエルフのfear(魂)は男性と女性であり、hrondor(体)だけではない。婚姻の始まりはfearの好意であり、そこから愛がうまれる。この愛はその中に含まれ、最初の目覚めから結婚を願い、それゆえ、似ているが他の愛情や友情の行動とは全てのありかたが同じではない。男と女の性質のエルフの間でもこの傾向を持たない者もある。そこで、身体で成すことであるが結婚はfea(魂)で始められ、そのの意思の中に在る、と言える。この理由ですでに言われたように意思が続く限り終了することはできない。
2. 問い。「死者が生きる者のもとへ戻るとき、分かれていた配偶者たちはまだ婚姻状態にあるのか。婚姻が主として体のことであるのに、結ばれている一方の体が破壊されたとき、どうしてそうなるのか。彼らが望めば分かれていた者たちは必ず再び結婚しなくてはならないのか。また彼らが望むと望まないとに関わらずなのだろうか。
答え。「婚姻は結局fearの意思にあると言われる。その人が誰であるかもまた全面的にfeaにあり、再生した者は死亡した者と同一である。生命の継続への不自然な侵害にたいする償いとしての再生の恵みの目的であり、元の命へ戻ってそれを継続することを願わない死者は誰であっても再生を許されない。実際彼らはそれを逃れられない、というのは彼らは再生後ただちに彼らの過去の全ての記憶を取り戻すからである。
「もし死者が戻ることを希望しその目的で待機の館に在るとき婚姻は終了せず、ただ休止中であるのなら、もしfeaが生存者の場所に再び在るとき、どのように終了されるのか。
「しかし、そこに難しさがあり、死は不自然であると我々に明かされる。改正はされるかもしれないが、アルダが続く限り、元に戻したりそれが起きなかったかのようには決してできない。エルダールが年を経るにつれ全てを予見することはできず、そのようになった。しかし彼らの性質を見と、我々が今するように、我々は愛だとする(文は途中で終わっている)
最終更新:2013年02月03日 06:08