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【龍人】(りゅうじん)
 区分:翼持つもの


 龍使い。野心深き簒奪者。足ることを知らぬもの。多くの異名を取る<龍人>は、人の世を脅かす存在として語られるあやかしの代表格です。
 人に近い姿をしていますが、額には捻じくれた2本の角、背には力強い翼を備えており、自在に空を飛ぶことができます。
 膂力や頑健さなどの肉体面、知性や知覚の鋭敏さといった精神面、すべてにおいて高い水準の能力を持ち、様々な妖術も使いこなします。
 その上で、同族と力を合わせる協調性、下級のあやかしを従属させる統率力までも備える彼らは、まさに万能の存在と言えるでしょう。

 また、<龍人>は必ず一振りの霊刀を携えています。この刀には地上最強の生物<龍>の力の一端が封じられており、<龍人>の万能性、特に肉体的な
強大さは、この刀から流れ込む力がもたらしています。そればかりか、<龍人>は霊刀をその身に取り込み、<竜>に変じることさえ可能です。
 <龍人>が変じる<竜>は、本物の<龍>に比べればずっと小さく、多くは力も劣りますが、それでも単独で一軍に匹敵するだけの戦力を秘めており、
しばしば他のあやかしを支配下に置こうとする彼らが寝首をかかれずにいられるのは、この力に拠るところが大きいようです。

 高い知性を持つ<龍人>たちは、独自の文化を持ちます。長命ゆえ個体数はそう多くなく、集落以上の規模を持つ街を築くことはありませんが、
あやかしには珍しく体系的な文字を扱い、鍛冶や宝飾などの工芸、詩吟や絵画などの芸術文化も有しています。
 しかし、なんといっても彼らを特徴づける文化は「戦争」です。他の土地を侵略し、征服し、支配することは、ほぼすべての<龍人>にとって最も
熱意と時間を傾けるべき最優先事項であり、戦の備えに比べれば、他のすべては雌伏の時を過ごすための手慰みに過ぎません。
 練兵や兵站を理解し、諜報に余念がなく、策略・軍略を持って侵攻する<龍人>の軍勢は、人の世にとって最も深刻な脅威の一つに数えられます。


■<龍人>の成り立ち

 <龍人>は元々、山岳に住まう妖鬼の一部族に過ぎませんでした。長命で、高い知性を持ち、呪術に秀でていましたが、肉体的には脆弱であり、
繁殖力にも欠けたため、緩やかに個体数を減らし続けていた彼らは、やがては滅びる定めにあったと言えます。
 しかし、一族の中から天賦の才を持つ一人の呪術師が現れたことで、状況は一変します。一族の長となり、自分たちの先の無さを嘆いた彼は、
他の種族からその能力を奪い取り、祭器に封じるという秘術を編み出し、一族の命運をその術の行使に賭けることを決断したのです。
 しかも、彼がその呪詛を向けたのは、最強の生物<龍>の一体、それも<全き龍>と呼ばれ、神代から存在するとされていた強大極まる老龍でした。
 この無謀極まる暴挙は、信じ難いことに成功を収めます。凄まじい抵抗に遭い、呪詛返しによって儀式に参加した者の大半が死に絶えましたが、
幾重にも重ねられた策略と強力な触媒の助けを借りて、呪詛は<龍>の抵抗を打ち破り、その力を一振りの霊刀に封じたのです。
 そして、この儀式によって力を使い果たした長は、息絶えるまでの十数日の間に、強大に過ぎる<龍>の力を分割して幾振りもの霊刀に封じ直し、
生き残った一族の者に行き渡らせました。呪術によって霊刀の力を自らに結びつけることで、彼らは<龍>の強靭さと異能を手に入れたのです。
 その後、<龍人>となった一族は長い時間をかけて、一時は絶える寸前にまで減った個体数を戻しつつあります。


■<龍人>と霊刀の等級

 個々の<龍人>が持つ力には、携える霊刀の「格」に応じた序列等級が存在します。これは、最初に<龍>の力を封じた霊刀がそうであったように、
ある種の呪術を用いて<龍人>に結びつけられる<龍>の力には、<龍人>自身の呪術能力に応じて扱える限界があるからだと言われています。
 現在、霊刀は<最初の一振り>を一として、封じた<龍>の力が減じるにつれ大きくなる、七までの複製等級で呼ばれています。この呼び方はとある
物好きなあやかしが戯れに始めたものだと言われていますが、現在では人族の学者も、<龍人>自身も、この呼称を知っています。
 これに伴って、<龍人>自身も携える霊刀の等級に合わせて<七剣級>などと呼ばれるようになっています。ただ、<三剣級>以上の<龍人>の存在が
他種族によって確認されたことはなく、それらの等級の霊刀を扱える<龍人>は、現存するのかすら怪しまれている状態です。


■結界への脆弱性

 個体として非常に強力であり、軍勢をも率いる<龍人>ですが、その脅威がいまだ人族を駆逐するに至っていないのは、彼らの特性に起因します。
 彼ら自身にも予測できなかったことですが、霊刀を力の源とし、その「外なる力」を自らに取り込むため、呪術的に最適化された彼らの身体は、
人族が“穢れ”持つ者から都市を守護するために巡らせた<結界>をはじめ、儀式型の陰陽術、法術に非常に影響されやすいのです。
 現状、上位のあやかしの多くを無力化できる強力な<結界>のみならず、力のある術師なら単独で敷設できる簡易な<結界>の影響下でさえ、<龍人>は
完全に行動不能になってしまいます。これは<龍>の力を得たことで彼らが被った、ほぼ唯一のデメリットと言えるでしょう。
 必然、人族の都市を攻めようとする<龍人>は、他のあやかしや呪物を私兵として<結界>の無力化に務めるのが常となっていますが、巧妙に隠された
<結界>の要を見出すことは難しく、自ら陣頭に立てないことで決め手を欠いた<龍人>が兵を引く事例が幾度となく起こっています。


■<龍人>のデータと能力

 <龍人>のデータは、ラクシアにおけるドレイク族のものを用います。携える霊刀の等級が、そのままドレイクの爵位に対応します。
 ただし、総合的な実力を鑑みて自他に認められるドレイクの爵位とは異なり、<龍人>の等級はその呪術能力に拠って定められています。
 従って、魔法以外の能力については、同じ等級の<龍人>でも個体差が存在するのが自然です。GMは自由にデータをカスタマイズしてください。

 また、個々の霊刀には<龍人>に与える力に属性で表わされる差異があり、竜形態に関係する能力に微妙な変更点が存在します。
 以下に、等級ごとの平均的なデータと変更点を示します。


 ・共通

◆特殊能力の追加・変更

変更:「〆竜化」「☆瞬時竜化」(人間形態)
 名称を「〆龍化」「☆瞬時龍化」と改めます。また、「一度行うと、1時間は人間形態に戻れません」の一文を削除します。

変更:「☆人間化」(竜形態)
 名称を「☆人化」と改めます。また、末尾に次の一文を追加します。
 「一度行うと、1時間は再び「〆龍化」を行えません。竜形態に変化していられるのは、1日に累積で1時間までに限られます」


 ・<七剣級>

 ドレイク(⇒『BT』42頁)のデータを使用します。カスタマイズする場合でも、「〆法術5~6レベル」の能力は必ず有しています。

◆特殊能力の追加・変更

追加:「○~無効」(竜形態、全身)
 個体ごとに定められた「病気」「呪い」「精神効果」以外の1つの属性のダメージや効果を一切受けません。

変更:「〆光のブレス」(竜形態)
 自身に無効な属性のダメージを与えます。名称を「〆●●の剣閃」と改めます。●●には属性を表わす単語が入ります。


 ・<六剣級>

 ドレイクバロン(⇒『BT』50頁)のデータを使用します。カスタマイズする場合でも、「〆法術7~9レベル」の能力は必ず有しています。

◆特殊能力の追加・変更

追加:「○双色の鱗」「☆鱗色反転」(竜形態、全身)
 個体ごとに定められた「病気」「呪い」「精神効果」以外の2つの属性のうち、一方の属性のダメージや効果を一切受けません。
 補助動作で、無効化する属性をもう一方の属性に変更することができます。この能力は1ラウンドに1回しか使えません。

変更:「〆光のブレス」(竜形態)
 自身に無効な属性のダメージを与えます。名称を「〆双色の剣閃」と改めます。


 ・<五剣級>

 ドレイクバイカウント(⇒『BT』56頁)のデータを使用します。カスタマイズする場合でも、「〆法術9~12レベル」の能力は必ず有しています。

◆特殊能力の追加・変更

追加:「○連色の鱗」「☆鱗色流転」(竜形態、全身)
 個体ごとに定められた「病気」「呪い」「精神効果」以外の4つの属性のうち、2属性のダメージや効果を一切受けません。
 補助動作で、無効化する属性を4つのうち任意の2属性に変更することができます。この能力は1ラウンドに1回しか使えません。

変更:「〆燦光のブレス」(竜形態)
 この攻撃が与えるダメージは、対象ごと、この魔物に無効な2属性のうち、より対象に不利な属性として処理されます。名称を「〆連色の剣閃」と改めます。


 ・<四剣級>

 ドレイクカウント(⇒『BT』63頁)のデータを使用します。カスタマイズする場合でも、「〆法術13~15レベル」の能力は必ず有しています。

◆特殊能力の追加・変更

追加:「○虹色の鱗」「☆鱗色流転」(竜形態、全身)
 「病気」「呪い」「精神効果」以外の属性のうち、任意の3属性のダメージや効果を一切受けません。
 補助動作で、無効化する属性を任意の3属性に変更することができます。この能力は1ラウンドに1回しか使えません。

変更:「〆燦光のブレス」(竜形態)
 この攻撃が与えるダメージは、対象ごと、「病気」「呪い」「精神効果」以外の属性のうち、対象にとって最も不利な属性として処理されます。
 名称を「〆虹色の剣閃」と改めます。


◆サンプルデータ

[7LV] <龍人>の隠刀士(<七剣級>、人間形態)

知能:高い 知覚:五感(暗視) 反応:敵対的 言語:かな、あやかし語、<龍人>語、大極言語 生息地:さまざま
知名度/弱点値:11/18 先制値:17 移動速度:20/40(飛行) 生命抵抗力:10(17) 精神抵抗力:11(18)
弱点:魔法ダメージ+2点

■戦闘データ

攻撃方法 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
 短刀  10(17) 2d+9  9(16)  4  45  39

■特殊能力
「〆法術6レベル/魔力9(16)」
「〆投擲剣」
 「射程:10m」で投擲攻撃を行います。命中力と打撃点は通常の攻撃と同じです。
 1回の戦闘では、2回までしかこれを行うことはできません。
「〆2回攻撃&双撃」
 近接攻撃、投擲攻撃を自由に組み合わせて1回の主動作で2回攻撃できます。対象は1回ごとに選んで構いません。
「√挑発攻撃Ⅱ」
 戦闘特技《挑発攻撃Ⅱ》(⇒『IB』37頁)と同じ効果です。
 戦闘特技の変更ルールを採用していない場合、《挑発攻撃》(⇒『Ⅰ』257頁)として扱います。
「√囮攻撃」
 近接攻撃の命中力判定に-2のペナルティ修正を受けますが、その攻撃では打撃点が+2点されます。
 「√囮攻撃」を宣言した攻撃を対象が回避した場合、対象は次の手番の開始時まで、回避力判定に-1のペナルティ修正を受けます。
 この効果は-4まで累積しますが、対象が一度回避に失敗すると失われます。
「○飛行」
 近接攻撃の命中力・回避力判定に+1のボーナス修正を得ます。
「○密偵/9(16)」
 隠技技能で行える判定を基準値9で行えます。
「〆龍化」
 竜形態に変化します。同時に、HPとMPが最大値に回復し、魔法などで自身に与えられていたあらゆる効果が消滅します。


[8LV] <龍人>の隠刀士(<七剣級>、竜形態)

知能:高い 知覚:五感(暗視) 反応:敵対的 言語:かな、あやかし語、<龍人>語、大極言語 生息地:さまざま
知名度/弱点値:11/18 先制値:17 移動速度:20/40(飛行) 生命抵抗力:10(17) 精神抵抗力:11(18)
弱点:魔法ダメージ+2点

■戦闘データ

攻撃方法(部位) 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
  牙(胴体)  10(17) 2d+14 10(17)   7  56 48
  鉤爪(翼)  12(19) 2d+10 9(16)   4  32 19
  鉤爪(翼)  12(19) 2d+10 9(16)   4  32 19

■特殊能力
●全身
「○毒無効」
「☆人化」
 瞬時に人間形態に変化します。魔法などによる効果と[部位:胴体]に負っていたダメージは、そのまま引き継がれます。負っていたダメージにより
HPが0以下になるなら、即座に気絶します。
 一度行うと、1時間は再び「〆龍化」を行えません。竜形態に変化していられるのは、1日に累積で1時間までに限られます。
●胴体
「〆法術6レベル/魔力10」
「〆蝕みの剣閃/9(16)/生命抵抗力/半減」
 「射程:50m」「形状:射撃」で、敵1体を実体無き瘴気の刃で斬りつけ、「2d+12」点の毒属性の魔法ダメージを与えます。
 この能力は連続した手番には使えません。
●翼
「○飛翔」
 すべての部位は、近接攻撃の命中力・回避力判定に+1のボーナス修正を得ます。
 [部位:翼]のいずれかのHPが0以下になった場合、この能力は失われます。
「○瞬時掌握」
 龍化直後の身体制御に熟練しています。[部位:翼]は、「〆龍化」した手番でも主動作を行えます。
「√囮攻撃」
 人間形態の能力と同じです。
「√挑発攻撃Ⅱ」
 人間形態の能力と同じです。

■解説
 <七剣級>の霊刀を携えた<龍人>です。<六剣級>である年長の<龍人>を補佐する役割を担っています。
 人間形態での個人戦闘力はさほどでもありませんが、隠技を身に着けており、時には単独で偵察や暗殺の任も果たします。
 <龍人>には珍しく、霊刀ではなく小振りの刀を両手に構え、力ではなく技を重視した刀術で敵を翻弄します。