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【中津国神話(口伝)】

神話に語られて曰く。
世の始まりは、泥のように全てが混じりあった「混沌」であった。
この「混沌」を別の名で「太極」とも呼ぶ。
混沌は渦を巻き、その渦の力によって、徐々に軽いものは上へ、重いものは下へと分かたれていった。

重いものが集まった場所は、「穢れ」が充満する「黄泉」となった。
穢れから切り離された清らかな気が満ちる場所を「高天原」と呼ぶ。
その間に位置する、清らかさと穢れが同時に存在する場所を、やがて「中津国」と呼び習わすようになった。

高天原を起源として、神が次第に形を取っていったとされる「神世七代」の終わりに「伊邪那岐」、「伊邪那美」という男女の神が誕生した。
この夫婦神は中津国に国土を形作ろうと多くの神を産み、産まれた神々がまとう魔素(マナ)が徐々に世界に満ちていった。
自然現象と魔素は混じり合って神霊と呼ばれる神々の眷族となった。

「志那都比古神」は、伊邪那美が朝霧を吹き払ったその吐息から生まれたとされる風の神である。
「火之迦具土神」は火の神であったため、出産の際に火傷を負った伊邪那美はその火傷が元で亡くなってしまった。
それを知った伊邪那岐は、「天之尾羽張(あめのおはばり)」という神刀を用い、火之迦具土神にも癒えない傷を与えたという。
その時、天之尾羽張の柄についた火之迦具土神の血液から「高淤加美神」が生まれたとされている。

後に、伊邪那美が黄泉の国の住人となってしまったことを嘆いた伊邪那岐は、彼女を取り戻そうと黄泉の国へと赴いた。
しかし、決して振り返ってはならないという伊邪那美との約束を違えてしまったためにそれは失敗に終わってしまう。
その後伊邪那岐は、黄泉の国の穢れを落とすために禊ぎを行った。
その折りに、左目から「天照大神」、右目から「月読命」、鼻から「須佐之男命」という3人の神が生まれたと言われている。
天照大神は月読命の姉であり、須佐之男命は月読命の弟である。



【神々について】

■伊邪那岐 / イザナギ
この世を形作る要となった皇祖神(こうそしん)。背の高い美丈夫として描かれている。

■伊邪那美 / イザナミ
伊邪那岐の妻である地母神。角隠しや綿帽子を目深に被り表情の伺えない、白無垢姿のすらりとした女性として描かれている。
出産の際命を落とし、黄泉の国の住人となった。
 ◇彼女の加護を受ける人間が魔素(マナ)に反応しにくい体質を持つのは彼女が生ける神ではないからである、という説もある。

■高淤加美神 / タカオカミノカミ
水の神。中性的な容貌を持つ美しい人物、もしくは龍の姿として描かれている。

■火之迦具土神 / ヒノカグツチノカミ
火と鍛冶の神。隻眼、隻腕など、体に某かの大きな傷を持つ逞しい壮年男性として描かれている。

■志那都比古神 / シナツヒコノカミ
風の神。地に届くほどの長く豊かな白髭を蓄えた、飄々とした老人として描かれている。

■天照大神 / アマテラスオオミカミ
光と太陽の神。華やかな装いに身を包んだ美しい女性として描かれている。

■月読命 / ツクヨミノミコト
闇と月の神。物静かな雰囲気を持つ、憂い気味な表情の少年神として描かれている。

■須佐之男命 / スサノオノミコト
嵐の神。屈強な体躯をした荒々しい男性として描かれている。
須佐之男命の荒魂としての側面が、多くのあやかしを生んだと神道では語られている。



【荒魂と和魂】

荒魂と和魂とは、神の霊魂が持つ2つの側面のことである。
荒魂と和魂は、同一の神であっても別の神に見える程の強い個性の表れであり、人々は神の怒りを鎮め、荒魂を和魂に変えるために、神に供物を捧げ、儀式や祭を行うのである。

■荒魂 / アラミタマ
神の祟りは荒魂の表れである。荒魂は神の荒々しい側面、荒ぶる魂であり、天変地異を引き起こし、病を流行らせ、人の心を荒廃させて争いへ駆り立てる神の働きである。

■和魂 / ニギミタマ
神の加護は和魂の表れである。和魂は、雨や日光の恵みなど、神の優しく平和的な側面である。



【邪術】
邪術とは、主にあやかしの行使する術系統である。
また、人族にも少数ながら邪術を操る者が存在し、彼らは「鬼道に堕ちし者」と呼ばれ畏怖されている。

■邪術の起源
神道において、あやかしに邪術を授けたのは神々の荒魂としての側面であると言われている。
邪術を授けたのは「戦神」「腐敗神」「不死神」などと呼称されているが固有の名ははっきりとは示されていない。
一説には、それぞれ「須佐之男命」「伊邪那美」「月読命」などが荒魂として顕現した姿だとも言われている。
その一方で、教会は、あやかし達を人の悪意から生まれた「悪霊」であるとし、これの退治を使命として掲げている。
邪術を操る人族もまた、「悪霊」に心を奪われた邪悪なものとして討伐の対象である。