諸定義
- 領域
- 連結な開集合
- 単連結
- 領域D内のある1点を始点とする任意の閉曲線が1点にホモトープであるとき、Dは単連結である
- 1点にホモトープ
- 領域内の閉曲線Cが定曲線にホモトープであるとき、Cは1点にホモトープである
ホモトープ
平面内の領域Dに対し、D上で定義された2つの連続曲線を
とする。
なる連続写像であって、
を満たすものが存在するとき、この2つの曲線はDでホモトープであるという。
Jordanの定理
C内のジョルダン閉曲線は、Cを2つの領域に分ける。一方は有界な単連結領域である。
Cauchyの積分定理
fを単連結領域D上の正則函数とするとき、1点にホモトープな閉曲線Cに対し
(証明)
証明は閉三角形による特別な場合で示し、その後一般の領域に拡張するものが多い。
Cauchyの積分表示
領域D内の点aと
に対して、fがD上正則函数ならば
(証明)
,
を(1→2を正として)これらを結ぶ曲線としてみよ。fはD上正則函数であるから
によるfの積分は0になる。ここから
、
のzの回りの積分から求める式を得る。
回転数
点aとaを通らない閉曲線Cに対し、aの回りの回転数を
で定義する。このとき、
n(a;C)=0 ⇔ aを含まない領域内でCが1点にホモトープ
Cauchyの積分表示
これは前述の積分表示と同値である。
Moreraの定理
fをD上の連続函数とする。境界及び内部がDに含まれる任意の三角形の周Cに対し
ならばfは正則函数である。
これはCauchyの定理の逆を与える。
最終更新:2013年03月10日 03:42