デスモイドとは
デスモイド腫瘍とは、骨格筋の結合織・筋膜・腱膜から発生する良性腫瘍であり、線維腫症の一種です。別名「類腱腫」。
発生頻度は腫瘍全体の0.03%、軟部組織腫瘍全体の3%。人口100万人に対し、年間2~4人とかなりまれな腫瘍です。
遠隔転移することはありませんが、浸潤性(じわじわと染み出すように広がる)に増殖し、
局所再発を繰り返すことが多いため、悪性・良性の境界に位置する腫瘍と考えられているようです。
白く固い線維組織から成り、触るとゴツゴツとした岩のような感じがします。
強く押すと痛みがあったり、熱感が感じられたりすることもあります。
熱感が強く感じられる場合、活発に活動している可能性が高いようです。
エストロゲン(女性ホルモン)が関係しているという説があり、 更年期になると活動が落ち着いたり、再発性が低下することがあるようです。
分類
- 腹壁デスモイド
- 腹直筋など。発生頻度49%。
- 腹壁外デスモイド
- 腹壁以外の部位。四肢・頭頸部・胸部・背部・臀部など。発生頻度43%。
- 腹腔内デスモイド
- 腸間膜・後腹膜・骨盤腔など。発生頻度8%。
原因
発生原因については、手術や外傷などによる組織損傷、内分泌(ホルモン)的影響、
遺伝子異常などが挙げられていますが、明らかではありません。
診断
CTやMRIなどの画像診断が主になります。決定的な診断は生検になることがほとんどだと思われます。
局所麻酔で行い、針で組織を採取する針生検と、全身麻酔で行い、実際に切開して組織を採取する切開生検があります。
最終更新:2015年06月15日 09:44